中小企業における株主管理の手法について
法令上、会社は株主名簿を作成し、本店に備置きする必要があります。株主名簿には、株主の氏名、住所、株式数、株式の取得年月日を記載しなければなりません。
【記載例:株主名簿】
株式会社ABC商事
No | 氏名 | 住所 | 株式数 | 株式取得年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | A | 東京都港区〇町〇丁目〇番〇号 | 普通株式500株 | 2011年3月1日 | 設立新株の取得 |
普通株式100株 | 2016年3月1日 | 募集株式の取得 | |||
2 | B | 東京都北区〇町〇丁目〇番〇号 | 普通株式100株 | 2016年3月1日 | 募集株式の取得 |
株主名簿の作成や備置きについては、株主が変動する場合の名義書換等が必要になることから、会社法をはじめとした法令に関する知識が不可欠といえます。
上場会社では、証券実務上、株主名簿の作成、管理等の事務手続については信託銀行等の株主名簿管理人が行わなければなりません。一方、中小企業では、任意に株主名簿管理人を設置することができます。その場合の株主名簿管理人には、信託銀行等に限られず、誰でもなることができます。株主の所在が不明のため、事業承継等をスムーズに進められないというケースが多々見受けられます。
ここでお奨めしたいのが、会社法に精通している司法書士を株主名簿管理人として選任することです。司法書士は株主の管理だけではなく、商業登記等や中小企業の会社法務にも明るい存在といえます。また、司法書士が株主名簿管理人として登記にも記録されると、株主管理等の会社法務関係の体制づくりに力を入れている旨を対外的にも周知でき、会社の信用力向上にもつながります。
関与先の株主名簿管理人として就任している実績のある司法書士など、会社法務全般にも携わっている司法書士に相談いただくとよいでしょう。
事業承継等や会社の内部体制の強化の一環として、株主の管理をきっちり行いたいという場合、株主名簿管理人として承っております。会社法務に明るい司法書士に株主の管理事務についてサポートしていただいたら如何でしょうか?
司法書士 本橋 寛樹
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※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。