医療法人化のメリットについて

医院を経営するにあたって、法人化することを視野に入れている方も多いのではないでしょうか。手続きが煩雑になったり、登記が必要になったりと手間が増えてしまうイメージもありますが、以下のようなメリットも多くあります。

① 節税効果

顧問先の税理士から奨められる一番の理由として、節税対策があげられるのではないでしょうか。個人として得る収入(所得税)が法人に切り替わることによって、法人税が課せられることになりますので、ケースによっては節税が見込まれます。また、理事長の親族等を役員に入れることによって効果的な所得の分散が図れます。さらに退職金制度を利用することにより、税制面での優遇を受けられることが可能になるといえます。

② 社会的信用の向上

医療法人としての名目を得ることにより、対外的な印象が向上し、社会的信用が高まることで利益拡大につながるといえます。また、金融機関等での融資を受ける際にも有利に働くこともあります。

③ 事業承継への備え

個人の診療所である場合には、院長の世代交代で、一度廃院の手続きをした後に新しい診療所の開設をしなければなりません。また、個人の相続手続として、各種名義変更等も別途必要となります。一方で、医療法人の場合には理事長の交代の手続きのみで医院を承継することができるため、手続き面においてスムーズに行うことができます。

医療法人化する場合においては、法務面はもちろん、税務面においてもメリットとデメリットを考慮した上で検討する必要があります。

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司法書士 中道 康純

司法書士法人F&Partners所属。司法書士、大阪司法書士会登録、登録番号:第4793号

※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。