医療法人における法務面の特色について

医療法人とは、医師や歯科医師が常勤する病院や診療所等の開設、所有を目的とする法人です。表向きは、「〇〇クリニック」ですが、法人名として「医療法人〇〇会」という名称が用いられています。医師が個人経営から法人化するといったイメージです。医療法に基づいて設立された法人であり、主に以下のような点において株式会社との違いがあります。

◆設立には都道府県知事の認可が必要

医療法人は設立する前提の条件として、都道府県知事の認可を受ける必要があります。また、設立してからも毎年都道府県知事への決算等の届出義務も課せられています。加えて毎年資産総額の変更登記も必要となります。

◆役員構成が異なる

医療法人は、社員の意思決定機関が社員総会になり、理事3名以上、監事1名以上を置かなければなりません。また、理事長は原則として医師または歯科医師でなければならないと定められています。

◆剰余金の配当はできない

株式会社では剰余金の配当を任意に行うことができますが、医療法人では剰余金の配当は禁止されています。これは、医療法人は公益的な趣旨も強く、医療法人が得た利益は、新しい医療機器の購入や医療の発展に寄与する等、医療に還元することが求められているからです。

医療法人は、設立してからも、法務局への理事の登記や資産総額の変更登記、行政庁への届等、各種手続が必要になります。特に2年に1度行わなければならない理事の登記は、任期を管理しなければ、失念するリスクがあります。
当社では、登記や行政庁の届出についてワンストップで対応しております。法人の法務面で総合的にサポートいたします。

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司法書士 中道 康純

司法書士法人F&Partners所属。司法書士、大阪司法書士会登録、登録番号:第4793号

※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。