電子領収証作成のススメ

領収証といえば、紙媒体がまずイメージとして浮かぶのではないでしょうか。

領収証の交付の方法については、司法書士であれば「司法書士法施行規則29条」に規定されていますが、2020年8月1日施行の改正司法書士法施行規則によって、電磁的記録をもって作成することも認められるようになりました。

領収証に記載された受取金額が5万円以上の場合、紙媒体では金額に応じて少なくとも200円の収入印紙を貼付しなければなりません。

この5万円には、報酬額だけではなく、登記における登録免許税等の実費も含まれます。司法書士であれば、大半の案件で受取金額が5万円を超えることになり、毎度200円以上の収入印紙を貼付することになります。

一方、電子領収証であれば、会社設立における定款認証と同様に収入印紙の貼付は不要です。さらに、この電子領収証には職印を押印する必要もありません。

ただ、職印の押印がない領収証では、誰でも作成できてしまいます。そこで、紙媒体の領収証に職印を押印し、それを複合機でスキャン化することによって電子領収証とすることもできます。

紙媒体の領収証に職印を押印するフローを省くとすれば、初めから電子領収証のPDFデータを作成のうえ、職印に代わる電子スタンプを付与することも考えられます。より堅実にするならば、商業登記電子署名を付与することによって、領収証の作成権限をより明確にするといったことも一案です。

電子領収証は、司法書士に限らず、土地家屋調査士や行政書士等の士業にも認められています。


ケースに応じて電子領収証を導入してみるのはいかがでしょうか。

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司法書士 本橋 寛樹

司法書士法人F&Partners所属。司法書士、東京司法書士会登録、登録番号:第7888号

※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。