11月11日は「介護の日」介護について考えてみよう

「あの人のことだから、きっとこんな介護を望んでいるはず。」
「言わなくてもずっと一緒にいたから分かるの。」

あなたがしたい介護はどのような介護ですか。
あなたがしてほしい介護はどのような介護ですか。

ご自身の介護の話を、介護が必要になる前にじっくり誰かと話し合う方は少ないと思います。

認知症、病気、けが、加齢により、ご自身の意思を伝えることが出来なくなったとき、手術をするかしないか、人工呼吸器をつけるかつけないか、心肺蘇生(心臓マッサージのこと)をするかしないか、点滴をするかしないか、胃ろう(食事がとれない方に対して、内視鏡を口から胃まで入れ、胃とお腹の皮膚を貫通させカテーテルを通すことで、液状の栄養剤を胃に直接入れることができます)を作るか作らないか、ご家族が全て判断をすることになります。

そのとき、「延命措置はしないでほしいって言ってました」とご家族の一人が伝えても、もし他の方が延命措置を希望したら、ご本人の意に反して、延命措置がされることもあります。医者、看護師、救命救急士は、全力で命を救おうとしますので、「延命措置はしないでほしいって言ってました」と伝えても、「本当にそれでよいですか」と聞かれると、自信がなくなり不安になると思います。

エンディングノートを書こうと思っていたが、まだまだ大丈夫だろうとそのまま放置し、いざ必要となったときには、エンディングノートを書くことができない状態になっている。そして、「あの時ちゃんと書いてもらえばよかった」と後悔しているご家族の話をよく聞きます。

エンディングノートは、書いたからといって必ず実行されることが約束されているわけではありませんが、ご自身の想いを伝えることができます。ご家族が辛い選択をして自分自身を責めたり、辛い気持ちになることを和らげることもできます。また、ご自身しか知らない情報を、ご自身が亡くなった時にご家族が困らないよう伝えることもできます。

エンディングノートの記載例
・延命措置について
・介護について
・預貯金、不動産、有価証券、貴金属、リゾート会員権等のプラスの財産について
・カードローン、借金等のマイナスの財産について
・ペットについて
・葬儀・お墓について
・相続・遺言書について
・連絡先(亡くなったことを連絡してほしい人がいる場合等)について
・ご家族、ご友人へのメッセージ
など

2020年の日本人の平均寿命は、男性81.64歳、女性87.74歳と世界でも高いですが(男性世界2位、女性世界1位)、最後の約10年間は介護が必要な状態と言われています。

数年前にコロナが流行ることを誰も予測できなかったように、生きている限りいつ何が起こっても不思議ではありません。エンディングノートは、書くことが早ければ早いほどいいのです。

エンディングノートを書くことで、自分を見つめなおす機会にもなります。書店でも千円程で売られていますし、役所によっては無料で配布しているところもあります。弊社でもご希望があれば、無料でお渡ししますので、御入用でしたら是非お声掛けください。

また、内容によっては法的に効力をもつようにすることもできます。例えば、遺言書、尊厳死宣言、生前事務委任契約等を公正証書にすることです。こちらもお気軽にお問合せくださいませ。

※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。