柿が赤くなると、 医者が青くなる!②

前回は柿の種類についてご紹介しました。
今回はいよいよ「柿が赤くなると、 医者が青くなる」ということわざをもつ柿の栄養素についてお伝えしていきます。

柿に含まれる栄養素

ビタミンC

柿は、1個で100mgほどのビタミンCを含みます。

これは成人の1日に必要な摂取量と同じなので、柿1個で1日の必要量を摂取できるというわけです。

ビタミンCには抗酸化作用(体が酸化によってさびるのを防ぐ効果)があることから、老化防止に役立ちます。

βーカロテン

β-カロテンも、ビタミンCと同じく強い抗酸化作用を持つ成分で、ビタミンCと同時に摂取することで相乗作用が起こるため、肌荒れなどに効果的です。
干し柿にするとビタミンCが減少しますが、β-カロテンは約2倍に増加するといわれています。

食物繊維

柿1個には約2gの食物繊維が含まれています。これは、バナナ1本の約2倍なのです。
食物繊維は腸内環境を整える働きがあります。
現代人は食物繊維不足の傾向があるため、積極的に摂取していきたい栄養素です。

タンニン

前回も少し触れた、渋味成分のタンニン。
ただ渋いだけではなく、タンニンは血液中にある毒素や悪玉コレステロールを減らし、血液の流れをよくしてくれる働きがあるのです。

柿の効果

柿には抗酸化作用を持つビタミンCやβーカロテン、整腸作用を持つ食物繊維などの栄養素が含まれていることから様々な効果が期待できます。

高血圧予防

柿に含まれるポリフェノールの一種タンニンは、血中の悪玉コレステロールを減少させ、血液をきれいにする働きがあります。
タンニンが豊富に含まれる柿には動脈硬化を予防し、高血圧を防いでくれる効果が期待できます。

風邪予防

ビタミンCは、体外から侵入してきた細菌やウイルスなどを撃退する役割を担っています。
βーカロテンも豊富に含んでいるため、ビタミンCとの相乗効果で免疫力をさらに高め、風邪などの病気予防に効果的です。

美肌効果

ビタミンCには、シミやそばかすを予防し、若々しい肌を保つ効果もあります。
紫外線の刺激を受けてチロシンと呼ばれるアミノ酸から、皮膚の色素細胞であるメラニン色素が生成されます。
このメラニン色素が皮膚に沈着することで、シミ・そばかすができます。
ビタミンCは、チロシンからメラニンをつくりだすチロシナーゼという酵素の働きを抑制し、メラニン色素の沈着を防ぐことで、シミ・そばかすを予防します。

腸内環境を整える効果

食物繊維には、有害物質の排泄や、腸内環境の正常化、血糖値上昇抑制などの働きがあります。
糖尿病などの生活習慣病や便秘に効果的です。

二日酔いを防ぐ効果

柿には、渋み成分のタンニンの一種である「シブオール」が含まれています。
これが、アルコールの分解を助ける働きをしてくれるのです。
さらに柿には利尿作用を持つカリウムが多く含まれるため、二日酔いの予防に効果的です。

「柿が赤くなれば医者が青くなる」は本当?

実は「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざの真意は、柿の旬である秋は過ごしやすい気候のため、そもそも病になる人が少ない、ということだと言われています。
しかしこれまでご紹介したように、柿には様々な健康効果が期待できるというのも事実です。
柿は果物の中では糖質が高く、食べ過ぎには注意しなければなりませんが、他の食材とも組み合わせて上手にふだんの食事に取り入れていくことをおすすめします!

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「みんなの終活窓口」の終活コーディネーター。 「食べ物が身体を作る!」と栄養のことも勉強中。栄養と終活の融合を目指してます。 終活と聞くと死ぬ準備とネガティブにとらえられがちですが、「これからの自分の毎日を充実したものにするための前向きな活動」という認識が当たり前になってほしいと思っています。 ぜひ一緒に終活に取り組んで、明日からの日々を充実したものにしましょう!

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