【相続工学研究会コラムPART3】終活に関する意識
2023年3月13日、みんなの相続窓口全国協議会の主宰により、相続工学研究会の第2回カンファレンスが京都で開催されました。
全4回にわたり、カンファレンス内で議論された内容をコラム形式でお届けしています。
3回目となった今回は、「終活に関する意識」と題し、終活について議論を行います。
まだ1回目、2回目をご覧になっていない方は合わせてご覧ください。
【ファシリテーター】
株式会社ルリアン専務取締役 小西 弘樹
【パネリスト】
株式会社ルリアン代表取締役社長 みんなの相続窓口全国協議会会長 藤巻 米隆
F&Partnersグループ代表 仁井 勝之
筑波大学システム情報系教授 大澤 義明
同志社大学商学部商学研究科教授 内藤 徹
続いてのテーマ、終活に関する意識ということで、赤が故人がしていた終活の内容で、青が故人にしておいて欲しかった内容を表しています。大澤先生これを見て印象いかがですか。
ものの整理ですよね。本人は価値があると思っても、子供たちから見たら何も価値がないというのは多分多いんじゃないかなという風に思いました。
確かに形見っていうものの考え方が、ちょっと違うのかなと思います。仁井代表、遺言書の作成が、16・9%の方がやっていたっていうは、実感と比べてどのようにお考えですかね。
多いなと思います。実感としては遺言を残してるって3%とか4%ぐらいじゃないかなと思います。なので多いなという感じます。
仁井代表と同じように、ちょっと多いのかなという感じはしますね。日本の場合、公正証書遺言はデータとしてあるんですが、自筆証書遺言は、なかなかデータとしてないので、一概には言えないですが、実感としては多いなという印象です。それから生前贈与とか相続税対策のところも、ちょっと多いなと。相続税がかかるという方が4%から8%に増えたというのはあるんですが、15・2%というのは高いなと感じます。
私も本当に「遺言書作成」の結果にびっくりしたので、これから細かく調べていく必要があるかなと思います。一方で死後の手続きの準備、葬儀予約が10%というのが僕はちょっと少ないのかなと思います。葬儀予約は、もうちょっと高くてもいいのかなと思うんですが、藤巻会長そのあたりどうですか?
なかなか自分の葬儀の予約をするというのは、まだ文化としても根付いていないし、自分の死を見つめるということに関しては、非常に重たい作業ですよね。ですから、そこはまだまだ少ないのかなというふうには思います。ただ、今後やっぱり終活へ向けてのライフプランというのは、非常に大事なことかなと思うので、高齢者もどんどん増えてきますし、そういう意味では、死ぬということを避けずに、しっかりと捉えていくということが大事かなと思います。そこをどう意識の変化をしてもらうことができるのかなというのが、我々としてもおそらく課題でしょうし、どういうアプローチの仕方があるのかなというのも、検討していく必要があるのかなと思います。
内藤先生はいかがでしょうか。
人が亡くなってですね、全部きれいに空き家になって相続…じゃないんですよね。病院に入ってて、亡くなりましたと。現実に人がいないだけの状態の家がボンとあるので、やっぱり片付けるのは印象としては大変でしたし、あと遺言書、これを作っていただければ、少なくとも不満はあるかもしれませんが、家族間のトラブルみたいなことは避けられたのかなと思います。
空き家もそうですし、空き家になるということは空き家になる近くにお墓があるという可能性も高いですよね。じゃあ、そのお墓をどうするのか、息子さんとか娘さんが住んでるところへ持っていくのかどうか、という課題もありますので、そこも空き家問題と同じように墓じまいっていうところは、一つ課題になってくるのかなというふうには思います。
最近テレビとかで「実家じまい」って言葉がすごくいっぱい出てくるんですね。「物の整理・不用品処分」とか「空き家」とか全て絡んで
くるんですけど新たな概念として「墓じまい」もそれに含まれていたりとか。そういうところはいろいろと変わってきてるのかなというふうに思います。
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