小型船舶の相続について
小型船舶とはどんな船舶かご存じですか?
小型船舶とは、総トン数20トン未満の船舶を言います。但し、総トン数20トン以上のプレジャーボートで、次の①から③の要件の全てを満たしている場合は小型船舶に含まれます。
①一人で操縦を行う構造であるもの、②長さが24メートル未満であるもの、③スポーツ又はレクリエーションのみに用いられるもの(漁船や旅客船等の業務に用いられないもの)。また、総トン数20トン未満の小型船舶は以下の登録対象外の条件に適っていない限り、必ず「小型船舶登録制度」に基づき、登録する必要があります。
日本小型船舶検査機構は、登録不要な船舶として1から8のように説明しています。
- 漁船法に基づき漁船登録を受けている船舶
- ろかい舟、または主としてろかいをもって運転する舟
- 係留船(航行しない船舶)
- 推進機関を有する長さ3m未満、当該推進機関の連続最大出力が20馬力未満の船舶
- 長さ12m未満の帆船
(国際航海に従事する帆船、沿海区域を超えて航行する帆船、推進機関を有する帆船、旅客の運送を行う帆船は除く) - 推進機関及び帆装を有しない船舶
- 災害発生時のみに使用される救難用船舶(国または地方公共団体が所有する船舶のみ)
- 告示で定められた以下の水域のみを航行する船舶
モーターボート競走法の競艇場の水域(全国24ヶ所)
モ-タ-ボ-ト競走選手訓練用水域(愛知県碧南市)
モ-タ-ボ-ト競走選手訓練用水域(福岡県柳川市)
「東京ディズニ-ランド」内の人工池(千葉県)
「東京ディズニ-シー」内の人工池及び人工水路(千葉県)
「ニューレオマワールド」内の人工池(香川県)
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」内の人工池及び人工水路(大阪府)
相続発生時も通常の場合と同様に、名義を書換える「移転登録」が必要となります。
通常の移転登録と異なり、相続の状況によって提出書類が異なるので注意が必要です。
まず、遺言書によって相続する場合は、こちらは遺言書が必要となります。
次に、遺産分割協議によって相続する場合は、次の書類が必要となります。
戸籍謄本(被相続人の除籍及び相続人であることを証明するもの)
遺産分割協議書及び協議書に押印した全員の印鑑証明書、調停書または審判書のいずれか
また、相続放棄される方がいる場合は、相続放棄申述受理証明書が必要となります。
この他に生前贈与を受けている場合は、相続分不存在証明書と証明書に押印した者の印鑑証明書が必要となります。
あと、未成年者も所有者になることはできますが、次の書類が別に必要となります。
- 親権者の同意書
- 親権者の印鑑証明書
- 戸籍謄(抄)本(親権者であることを証明するもの)
なお、小型船舶登録と漁船登録は同じ船舶に対して同時に登録することはできませんので、先ず相続される船舶がどちらに登録されているかを確認することも必要です。
小型船舶も大事な相続財産です。登録制度が設けられている理由が理解して、大事に保管して安全に楽しんでください。
行政書士 鈴木 克尚
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※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。