夫の母親の前夫の再婚相手との孫が相続人に!?

相続においては、全く知らない、会ったことも聞いたこともない人が相続人になるケースがあります。

そのような場合でも、当事者として遺産分割協議をしなければなりません。

典型的なケースは、兄弟で相続する場合に、数次相続や代襲相続といったものが生じているときです。

被相続人の直系卑属(子、孫等)も直系尊属(親、祖父等)もいないもしくは全員相続放棄した場合、兄弟で相続することとなります。

数次相続とは、被相続人が死亡した後、遺産分割協議が終わる前に相続人が死亡してしまい、次の相続が開始されること、すなわち相続中に相続が生じることです。

代襲相続とは、被相続人が死亡した時に本来相続人となるはずであった人が既に亡くなっていた場合等に、その子が代わって相続することです。

以上の状況が全て組み合わさった相続手続きを、私はお手伝いさせていただいたことがあります。

被相続人の奥様(A)より相続手続きを依頼されたのですが、夫婦間に子はなく、両親・祖父母も亡くなっていたため、被の兄(B)と兄弟相続となりました。

相続人調査の結果、被相続人の母親に前夫(C)の子(D)がいたため、その方も相続人となったのです。

このように、兄弟相続において、Dのような異母兄弟がいた場合、半血兄弟と呼ばれ相続人となるのです。

〈図〉

ところが、Dも遺産分割協議をする前に亡くなられました。相続中に相続が生じる、数次相続が起こったのです。

そうすると、Dの父親すなわち被相続人の母親の前夫に、再婚相手(E)との子(F)がおり、Fは兄弟相続により本来Dの相続の相続人となります。

ところが、Fは相続以前に亡くなっていたため、孫(G)が代襲相続により相続人となったのです。

〈図〉

この場合、G目線では、ある日急に祖父の前妻の再婚相手との子供の相続人になったこととなります。

同時にA目線では、夫の母親の前夫の再婚相手との孫が相続人になったことになります。

そして、A、B、Gで話し合って遺産分割協議をしなければならなくなります。

上記のケースは何とか遺産分割協議がまとまりましたが、子供のいらっしゃらない夫婦は、

遺産分割協議が不要となる遺言書を書いておくことを強くおすすめします。

配偶者の両親の離婚歴やその離婚相手との子のことを気にかける人などそうはいないでしょうから。

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森 俊介

行政書士法人F&PartnersEAST所属。行政書士、東京都行政書士会登録、登録番号:第20261378号

※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。