通常のお盆と初盆の違い~知っておきたい初盆の知識
初盆は、通常のお盆よりも、手厚く供養するのだ。通常のお盆の場合、親族だけで行ったり、中には家族だけで行う場合もあるが、初盆の場合、家族・親族の他、故人と新興のあった方に、「初盆法要(新盆法要)を行います」と、ご案内するのが礼儀・作法だな。
そうだ。また、通常のお盆の場合の服装は、普段着でも問題ないが、初盆の場合は喪服で参加することをお勧めする。
通常のお盆と初盆の違い
初盆の考え方として大事なのは、通常のお盆は先祖一同を迎える訳ですが、初盆は、故人その人だけのお盆だということです。そのため、通常のお盆では仏壇の中にあるすべての位牌を棚に並べますが、初盆の場合、位牌は故人のもの1つだけで、他の位牌は仏壇の中のままとなります。精霊棚(盆棚)を仏壇の前に設置し、その上に故人の位牌を置きます。
精霊棚の作り方
精霊棚の作り方は宗派や地域によって差がありますが、ここでは一般的なものだけを紹介します。
精霊棚は仏壇の前に小机や台を置き、その上に、真菰(まこも:水辺に群生するイネ科の多年草)で編んだゴザや白い布を敷いた棚のことです。先祖を迎えるため、精霊棚にお供えをしていきます。
霊供膳(れいくぜん)
霊供膳とは、供養膳というお膳に故人に食べてもらう料理を盛り付けたものです。基本は「一汁三菜の精進料理で、肉や魚などの殺生を伴うものは避ける」となっています。
しかし、最近のお葬式でも、精進料理に限定しているお葬式はあまりありません。ですので、精進料理にこだわらず、故人の好きだったものをお供えするのも良いでしょう。
霊供膳以外には、位牌もしくは遺影を安置するほか、香炉、燭台、花立て、おりん、精霊馬、精霊牛などを供えます。
精霊馬
精霊馬とはキュウリで作った馬のことで、精霊牛とはナスで作った牛のことです。馬は先祖の霊を迎えるときに乗ってもらい、牛は送って行くときに乗ってもらいます。来てもらうときは早く来てほしいため馬、送るときにはゆっくり乗って戻ってもらうため牛が使われています。
精霊馬や精霊牛の飾り方も地域によってさまざまです。迎え火を焚くときは、精霊馬の頭を家の中に向け、送り火を焚くときは家の外に向けるところもあります。
盆提灯、霊前灯
仏壇の前や玄関に飾るものですが、先祖や故人の霊が帰ってくるときに迷わないように目印にするものと言われています。通常のお盆で飾るものは色鮮やかな提灯であるのに対し、初盆では白い提灯を飾ります。地域によっては、家紋や戒名を入れるところもあります。
ほおずき
ほおずきは赤い灯火を表しています。これも霊が迷わず帰って来られるよう、目印にするためのものです。
昆布
おせち料理と同じで昆布は縁起がいいとされています。
生花
仏花とも言いますが、これはお清めの意味を持ちます。そのため、棘があるもの、香りが強いもの、縁起が悪いものは避けなければなりません。ちなみに、蓮の花は仏教では極楽浄土の象徴で、最も位が高いとされています。
素麺や饂飩
先祖があの世に帰る際、持っている荷物を背負う紐の意味です。細く長く続くという、縁起を担ぐ意味もあります。
団子
「迎え団子」と言い、ご先祖様を「お迎えする」「疲れを癒す」「お見送りする」という意味が込められています。
野菜や果物
夏が旬の野菜や果物もお供えしますが、これもご先祖様を歓迎するものです。百味五果(ひゃくみごか)と言い、百味とは「たくさんの美味しいもの」五果は「瓜、茄子、麺、饅(ぬた:饅頭のこと)、餅」の五種類のことを指します。
水の子
ナスやキュウリを賽の目状に刻み、洗った米と清めた水を一緒に器に入れたものです。先祖の喉を常に潤すという意味があります。水の子に使用する水のことを「あかすい」と言い、器や蓮の葉の中に綺麗な水を入れ、その中にミソハギの花を重ねておきます。浄土から帰ってくるときについた悪霊を追い払う意味があると言われています。
ミソハギは別名、精霊花(しょうりょうばな)と言います。お盆には、先祖の霊とともに無縁仏や餓鬼も来ると考えられており、その餓鬼に施すためのものです。
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