1カ月に1万人以上が遺言書を書いている件
令和2年7月10日よりスタートした「自筆証書遺言書保管制度」ですが、7月10日でちょうど一年が経ちます。ひとことでまとめると、自分で書いた自筆の遺言書を法務局に預けておけるこの制度。この一年間で制度を利用した人はどれくらいいたのでしょうか?データを確認してみました。

5月末までの11カ月のデータは法務省HPに掲載されています。データによると、11カ月で1万9,443人の方が遺言書の保管申請を行ったようです。月平均にすると1,767件ですので、1年間で恐らく2万1,210件ぐらいの数字になると予想されます。
2019年のデータになりますが、公証人役場で公正証書遺言を作成された件数は一年間で11万3,137件です。
この件数と自筆証書遺言書保管制度を利用した件数1万9,443人(11カ月)を合わせてみると、13万2,580件。
同条件下でのデータではありませんが、一年間で自筆証書遺言書を法務局に預けた人と公正証書遺言書を作成した人の合計が13万件超ということです。1カ月に遺言書を書く人は1万人を超えていると考えて良さそうです。
1万人。
1万人ってどれくらいでしょうか?
リンクが貼れなくてとても残念なのですが、「サントリー1万人の第九事務局」というホームページで1万人の大合唱を見ることができますので、こちらで1万人の規模感をご想像頂けたらと思います。
■一年間の死亡者数:138万4,544人(厚生労働省「人口動態調査」2020年)
■公正証書遺言作成件数:11万3,137件(日本公証人連合会「公正証書遺言作成数」2019年)
■自筆証書遺言書保管制度を利用して遺言書を保管した人:1万9,443人(法務省・2020年7月~2021年5月)
一カ月に1万人超の人が遺言書を書いている事実、どう受け止めますか?

終活コーディネーター・米倉 和美

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※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。