どうなる?デジタル遺言。自筆証書遺言書保管制度からもうすぐ3年


2020年7月10日よりスタートした「自筆証書遺言書保管制度」ですが、7月10日で3年が経ちます。自分で書いた自筆の遺言書を法務局に預けておける保管制度。3年間で制度を利用した人はどれくらいいたのでしょうか?データを確認してみました。

利用者数は3年で5万人を超えた

2023年5月末までの一年のデータがこのほど発表になりました。データによると、累計5万4364件(法務省・2020年7月~2023年5月)の保管申請があったようです。それぞれの年で月平均を見てみると、保管制度がスタートした2020年より鈍化しているものの、2023年には回復傾向が見られます。

 遺言書の保管申請数月平均
累計54,364
2020年7月~2020年12月12,6312,105
2021年1月~2021年12月17,0021,416
2022年1月~2022年12月16,8021,400
2023年1月~2023年5月7,9291,585

一方、同じ時期に公証人役場で公正証書遺言を作成された件数(日本公証人連合会「公正証書遺言作成数」)は以下のようになっています。

2020年1月~2020年12月97,700
2021年1月~2021年12月106,028
2022年1月~2022年12月111,977

両者の2022年の件数を単純に足し合わせると12万8,779件。一年間で自筆証書遺言書を法務局に預けた人と公正証書遺言書を作成した人の合計が12万件超ということになりますので、1カ月に遺言書を書く人は1万人を超えていると考えて良さそうです。

法務省によると、2023年内に有識者らで構成する研究会を立ち上げ、2024年3月を目標にデジタル遺言制度の方向性を提言するようです。法的効力がある遺言書をインターネット上で作成・保管できるデジタル遺言制度の今後にも注目が集まります。

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