もうすぐ1年!自筆証書遺言書保管制度

令和2年7月10日よりスタートした「自筆証書遺言書保管制度」ですが、もうすぐ一年が経とうとしています。この一年間で制度を利用した人はどれくらいいたのでしょう。法務省HPを見てみました。データは令和3年5月時点のものです。

遺言者の自筆証書遺言書制度の利用状況について

 自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することができます。こちらは作成した本人が遺言書保管所にて手続きを行う必要があります。

 7月から5月までの9か月間の統計になりますが、保管申請の件数は19,443件。( )内の数字は保管件数とのことですので、申請してみたものの保管まで至らなかった件数が一定数あると言うことでしょう。

この制度で遺言者ができることは、①遺言書の保管の申請、② 遺言書の閲覧(モニター/原本)の請求、③遺言書の保管の申請の撤回、④変更の届出なのですが、閲覧請求の利用も35件となっています。遺言者の生前に遺言書の閲覧の請求ができるのは、その遺言書を作成した遺言者本人のみで、本人以外の方は閲覧することができません。

 ①遺言書の保管申請②遺言書の閲覧請求
累計19443 (19374)42
令和2年7月2608 (2586) 7
令和2年8月2362 (2354) 7
令和2年9月1978 (1969) 4
令和2年10月2263 (2255) 1
令和2年11月1694 (1693) 1
令和2年12月1726 (1719)4
令和3年1月1178 (1175) 4
令和3年2月1287 (1282) 3
令和3年3月1625 (1622)4
令和3年4月1477(1475)4
令和3年5月1245(1244)3
令和3年6月  

自筆証書遺言書保管制度で遺言者ができること
①遺言書の保管の申請
遺言書保管所(法務局)へ自身で作成した自筆証書遺言に係る遺言書を預けること

② 遺言書の閲覧(モニター/原本)の請求
預けた遺言書を見ること

③遺言書の保管の申請の撤回
預けた遺言書を返還してもらうこと

④変更の届出
遺言書を預けた時点以降に生じた自身の住所・氏名その他事項の変更を遺言書保管所(法務局)に届け出ること

相続人等の自筆証書遺言書制度の利用状況について

 一方、相続人等の制度利用状況は次の通りです。遺言者の死亡後に、相続人や受遺者らは、全国にある遺言書保管所において、①遺言書保管事実証明書の交付の請求(遺言書が保管されているかどうか調べる)、②遺言書情報証明書の交付の請求(遺言書の写しの交付を請求すること)ができ、また③遺言書を保管している遺言書保管所において遺言書を閲覧することもできます。

 ①遺言書保管
事実証明書の交付請求
②遺言書情報
証明書の交付請求
③遺言書の
閲覧請求
累計4072532
令和2年7月100
令和2年8月310
令和2年9月16130
令和2年10月18100
令和2年11月21220
令和2年12月32170
令和3年1月42240
令和3年2月44330
令和3年3月72432
令和3年4月85460
令和3年5月7344 0
令和3年6月   

自筆証書遺言書保管制度で相続人や受遺者ができること
①遺言書保管事実証明書の交付の請求(遺言書が保管されているかどうか調べる)
ご家族・お知り合い等が作成した遺言書で、自分を相続人や受遺者等・遺言執行者等とする遺言書が遺言書保管所(法務局)へ預けられているかどうかを確認すること

②遺言書情報証明書の交付の請求(遺言書の写しの交付を請求すること)
相続人等の方に関係する遺言書の内容の証明書を取得すること

③遺言書の閲覧(モニター/原本)の請求
相続人等の方に関係する遺言書を見ること

これらの手続は、遺言者の方が亡くなった後(相続開始後)でなければ行うことができません。

自分に合った方法の選択を

自筆証書遺言書保管制度のできた背景と制度の概要については、こちらのコラムに執筆しておりますので併せてご確認ください。

 遺言書の作成は自筆証書遺言がいいのか?公正証書遺言がいいのか?( 他にも秘密証書遺言や、危急時遺言などありますがあまり使われることがない為ここでは割愛します)それぞれメリット、デメリットがありますので、それらを考慮したうえで、ご自身に合った方法を選択されるのが良いかと思います。

 遺言書は、自分の想いを実現するための大切な備えです。ご不明な点等がある場合は、専門家に相談されることをオススメします。

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※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。