相続クイズ:法定相続は万能か?

次の認識が正しければ〇、正しくなければ×をつけてください。

「先祖代々の伝統だとして“家督”全てを継ぐ気であった長男が反対する中、(遺言書がなかったため)法定相続によって配分を決定した。長男が拒否しても、法定の割合であるため問題はないので、来週、故人の預金をおろして配分するつもりだ」

(答え)✖

 遺言書がある場合には相続することになった方のみの手続きで問題ありませんが、遺言書がない場合にはたとえ法定相続であったとしても、すべての相続人の同意がなければ、預金を引き出すことができません。同意の証として、遺産分割協議書や相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明などが必要になります。

【被相続人の預金引き出しのため、おおむね必要とされる書類】
■遺言書がある場合
〇遺言書、遺言書情報証明書(法務局保管の場合)
〇検認調書または検認済証明書(公正証書遺言、法務局保管遺言は不要)
〇被相続人の戸籍謄本または全部事項証明(死亡が確認できるもの)
〇その預金を相続される方(遺言執行者がいる場合は遺言執行者)の印鑑証明書
〇遺言執行者の選任審判書謄本(裁判所で遺言執行者が選任されている場合)
■遺言書がない場合
〇被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
〇相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
〇遺産分割協議書
〇相続人全員の印鑑証明書

 遺言書がない場合で遺産分割協議書を作成されないと、原則、金融機関の専用用紙に相続人全員の署名・捺印を求められ、金融機関によって用紙の書式も異なるため、それだけ労力が必要となります。また、遺産分割協議の内容を証する書類が手元に何も残らないことになるため、相続人がお一方でないのであれば、遺産分割協議書は必ずお作り下さい。

※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。