終活コーディネーターが行く!終活業界最前線 vol.1~墓じまい~

墓じまい、1日密着

9月の晴れたある日。「墓じまい」に同行させて頂きました。

今回、同行させて頂いたのは、リーガルフォーワン株式会社 代表取締役 髙橋恭弘さん。「みんしゅうTV」お盆前のオンラインセミナーでも講師をしてくださった先生です。お墓作りやメンテナンスなど供養に関する業務を中心に、終活に関しトータルにサポートされている終活コンシェルジュです。

8時過ぎに待ち合わせをして、本日「墓じまい」を行う墓地へと向かいました。

今回のご依頼は、管理するお墓2つの場所が離れており大変になってきたため、「2つのお墓を1つにしたい。」とのご希望だったそうです。お考えをお聞きした上で、こちらのお墓の墓じまいをすることになり、お彼岸が終わった後の日取りで日程を組まれたそう。お天気に本当に恵まれました。

前回のオンラインセミナーでお話頂いた、墓じまいの手順です。すでに5番までの手続きが済んでおり、今日は「閉眼法要」と「墓石の解体撤去」を行うことになっていました。墓地の所有者・管理者に「墓じまい」の意思を伝え、許可を頂いたり、行政への許可証の申請や受け取りで、すでに5、6回、こちらに足を運んだそうです。

「閉眼法要」とは、お墓にお祀りされている仏様がいらっしゃるので、お坊さんにお経をあげていただき、お墓の魂を抜いて頂く供養です。「閉眼供養」「お性根ぬき」などという言い方があるようです。お坊さんが到着するまでの間、髙橋さんは大きな道具箱の中からいろんなものを取り出し、閉眼供養の準備などをされていました。草も刈って、しばらく手入れをされていなかったお墓をきれいにします。

こちらのお墓に入っている仏様が新たに入ることになるお墓がある菩提寺のお坊さんが到着されました。打ち合わせをして準備をしています。初めて見る道具に興味深々の私のため、お坊さんが解説をしてくださいました。

お墓の前に置かれている道具は、魂(おしょうね)を入れたり、抜いたりする時に使う道具で「洒水器(しゃすいき)」というそうです。左にお香、右にお水が入っていると教えてもらいました。真ん中の棒は作法で使う道具で「散杖(さんじょう)」と言うようです。

お経をあげて頂き、私もお焼香させて頂きました。お経の音色が心地よいと感じるようになったのは、歳をとったからなのでしょうか。秋晴れの中、お香の香りが風に舞って、神聖な気持ちになりました。

魂を抜いたら、墓石の解体に入ります。

今回は、お墓が一番端にあって、お墓の横にクレーン車をつけることができる場所にあったため、横の石垣のところにクレーン車が入りました。狭い場所でクレーン車が入らない、台車も使えない場所などは全てが人力になるそうで、その場合の墓石の解体はかなり大変になるようです。

石を一つずつクレーンに吊っていきます。

墓石の解体をされる職人さんは、普段からお墓を建てたり、墓じまいをされているため、非常に鮮やかでした。ひたすら見入ってました。職人さんすごい。目が離せません。

だんだん石が少なくなっていきます。

墓石の解体と同時に、お墓に納められ祀られている仏様の「骨上げ」を行います。「骨上げ」されたお骨や土は、この後、ご依頼主様にお渡しとなります。

地中に埋まってる石が予想以上に大きくて、少し難航しました。お墓の地下にどんな石があるかは掘ってみるまで分からないので、知識と経験が必要になります。

隣のお墓を傷つけないように、狭い場所では慎重に。大変そうです。

みるみるうちに更地になりました。

新しい土を敷いてきれいな更地にして、墓所の所有者・管理者へお返しします。となりのお墓もきれいに拭いて、作業は終盤になります。

荷台に積み込まれた墓石は、この後産業廃棄物として、砂利にして処理します。

暑い中、華麗な職人技を見せてくださった職人のみなさまです。写真を撮らせていただきました。

関東と関西では墓石の色が違うことや、墓石に使われる石は300種類以上あるなど、作業中に色々石のことを教えてくださいました。ちなみにこの中の職人さんの一人は、50種類ぐらいの石を瞬時に見分けられるそうです。世の中、色んなお仕事があり、色んなプロの方がいらっしゃると感心しました。暑い中、墓石の解体、お疲れさまでした。

この後髙橋さんは、ご依頼主様のところへ「骨上げ」されたお骨をお渡しに行かれました。仏様が新しい墓所に移られる「お墓の引っ越し」「改葬」の行政への手続きは全てサポート完了。「骨上げ」された仏様はご依頼主様がご自身で新しくお祀りされる所へ納めに行かれ、「納骨法要」が行われます。

今回、閉眼法要と墓石の解体を見させていただきましたが、ご事情により改葬される際もきちんとした供養の心が大切だと改めて思いました。お墓の引っ越しなど、人生で何度も経験するものではないため、「どこに相談したら良いのか分からない」と言う方も多いようです。手続きもお墓のある場所によって違いますし、行政手続きも大変です。お困りの際は、ぜひリーガルフォーワン株式会社やみんなの相続窓口までご連絡ください。

【リーガルフォーワン株式会社代表取締役 髙橋恭弘氏プロフィール】
大学卒業後、大丸百貨店グループに約40年勤務(大丸京都店、高知大丸出向、大丸本社、大丸梅田店ミュージアム(館長)兼務、大丸松坂屋百貨店、大丸松坂屋百貨店親会社JFR出向)。定年延長後退職。株式会社石長入社(事業開発・墓石販売)。5年強勤務後、リーガルフォーワン株式会社「終活」コンシェルジュ事業設立。 2017年10月法人登記。

【趣味】
マラソン(100キロ)、ゴルフ、自動車競技(1000キロレース、スプリントレース、ジムカーナ、ヒルクライムレース)、お茶(表千家)、登山、魚釣り、畑等

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※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。