【調査】相続に関する全国調査結果発表第3弾 ~母の日・父の日を前に「親の終活・子の終活」を分析~
株式会社ルリアン(京都府京都市、代表取締役社長・藤巻米隆)は、2023年2月、35歳から79歳を対象に相続に関する実態調査を行い、7,336人から回答を得ました。第1弾では調査の概要、第2弾では「空き家や生前対策の実態」の分析結果をお届けしました。第3弾である今回は「親の終活・子の終活」をテーマに分析結果をお届けします。
調査トピックス
【1】終活していない人が8割以上、65歳から終活をスタートする人は増加
【2】親と子の終活感にギャップ~親の財産額知っていますか?~
【3】相続未経験者ほど、専門手続きがイメージできていない傾向に
調査結果
【1】終活していない人が8割以上、65歳から終活を始める人は増加
■終活していない人が8割以上
財産の状況、健康状態、家族構成、今住んでいるところなど、自分自身がどのような人生を送ってきたかを振り返り、そしてそのような価値観を踏まえながらどのように人生の終焉を迎えたいかを考える「終活」は、超高齢社会に突入した日本では、多くの人の関心事の一つとなりつつあります。
自身について「終活を行っているか」を調査したところ、「終活は行っていない」(83.9%)、「終活を行っている」(16.1%)と、8割以上が終活をしていない結果になりました。
■65歳から終活スタート
年代別に見た終活をしている人の割合は、35~64歳までは15.0%前後で推移するものの、65歳以上から増加傾向にあり、65~69歳では22.3%、70~74歳では23.9%、75~79歳では30.4%が終活を行っているという結果になりました。
■終活している人に聞いた、実際に行っている終活トップ5
終活を行っている人が実際にどのような内容について準備しているかを調査したところ(複数回答)、「物の整理・不用品処分」(7.1%)、「エンディングノートの作成などを通じ必要な事柄をまとめている」(5.4%)の“物”や“事”の整理がトップ2となり、その後に「保険の見直し・保険を活用した相続対策」(3.4%)、「生前贈与など相続税対策」(2.6%)、「遺言書作成」(2.3%)と、金融資産を中心とした財産に関する具体的なアクションが続いています。
【2】親と子の終活感にギャップ~親の財産額知っていますか?
■相続財産の予想額は低く見積もられる傾向
「次の相続でどの程度の遺産を相続すると想定しているか」について聞いたところ、中央値は「100万円~200万円」でした。一方、実際に親の死による相続を経験した人に聞いた「実際に相続した財産額」の回答における中央値は「400万円~500万円」となっています。単純な比較はできないものの、予想している相続財産額は実際よりも低く見積もられている傾向が見られます。
■そろそろ片づけてほしい子、まだまだ大丈夫だと思う親
親の死による相続を経験した人に対し、「親が生前に行っていた終活」と子の目から見た「親にしておいてほしかったと思う終活」について調査した結果は以下のようになりました。
「特にない」を除き、「親が生前に行っていた終活」は「遺言書作成」(16.9%)が最も高い結果となり、子の目から見た「親にしておいてほしかったと思う終活」では「物の整理・不用品処分」(26.2%)が最も高い結果となっています。
「親が生前に行っていた終活」と「親にしておいてほしかったと思う終活」の割合の差が大きかった上位5項目(複数回答)は、「物の整理・不用品処分(差分10.6%)」「生前贈与など相続税対策(同3.7%)」「空き家対策(売却・賃貸)(同3.3%)」「墓じまい・永代供養・散骨など(同2.8%)」「遺言書作成 / 認知症対策(任意後見・家族信託)(同2.6%)」となっています。
【3】相続未経験者ほど、専門性を要する手続きがイメージできていない傾向に
「次にあなたが相続する際にどのような手続きが発生すると思うか」という質問について、「親の死による相続」の経験者と未経験者に分けて集計したところ、経験者側がすべての項目でその手続きが発生すると考えている割合が高いことがわかりました。
経験者・未経験者ともに回答の割合が高かった上位3項目(複数回答)は共通しており、「行政への死亡届の提出」「亡くなった親の年金受給停止手続き」「遺品の整理」となりました。
一方、経験者と未経験者で差が開いた上位3項目(複数回答)は、「相続人確定のための戸籍調査(差分12.1%)」「遺産分割協議書の作成(同11.9%)」「金融資産(株式、債券、保険等)の名義変更(同9.2%)」となっています。
今回は「親の死による相続に関する調査結果」をお届けしてまいりました。いざという時に慌てないために、終活では親子の会話がポイントであると考えます。終活を始めたいけど何をすればいいかわからない、相続に対してどう備えていいかわからないという方は、物やお金の整理、親子での会話から始めてみてはいかがでしょうか。
実施の背景
これから相続手続きを行う方への情報提供を目的として、35歳から79歳までの男女7,336人を対象に相続に関する実態調査を実施いたしました。
相続や終活、お金のことについて家族と話しあうことはタブーと感じている方も多いかと思います。それゆえ、親の財産について把握しておらず、いざ相続に直面した時に準備不足に陥ることも少なくありません。しかし相続手続きは、大切な人が亡くなって気持ちの整理ができていない時にやってきます。少しでも大切な人を想う時間を増やすためにも、事前の準備や話し合うことが必要です。このリリースがそのきっかけを作る一助となればと考えています。
調査概要
調査名:相続に関する実態調査
調査対象:日本全国の35~79歳までの男女
調査期間:2023年2月28日(火)~2023年3月2日(木)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:7,336件
株式会社ルリアン 広報部
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※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。