【京都だより 第2弾】祇園祭特集

 7月の京都といえば、祇園祭。毎年7月1日から約1か月にわたり開催されるこのお祭りは、京都市東山区の八坂神社を中心に行われ、日本三大祭の一つとして全国的に知られています。その歴史は非常に古く、平安時代の869年に始まったと言われています。当時、京都で疫病が流行した際、人々はそれを神の怒りによるものと考え、神を鎮めるために「御霊会(ごりょうえ)」という儀式を行いました。これが祇園祭の起源です。

 この御霊会では、全国66カ国を象徴する66本の鉾(ほこ)を立て、神輿を神泉苑に送り、災厄の終息を祈願しました。その後祭りは時代とともに形を変えながらも、人々の疫病退散や厄除けへの願いを反映し、京都の町衆文化と融合しながら発展してきました。特に室町時代以降は、町ごとに特色ある山鉾(やまぼこ)を制作し、それらを巡行させる形式が確立されます。現在では、「山鉾巡行」が祭りの中心的な行事となっており、7月17日(前祭)と24日(後祭)には豪華な山鉾が市街地を練り歩きます。
山鉾は装飾が非常に華やかで、金工・織物・漆芸などの伝統工芸が随所に使われており、「動く美術館」とも呼ばれています。それぞれの鉾には歴史や伝説にちなんだ意味が込められており、見た目の美しさに加え、文化的背景も感じ取ることができます。巡行前には「宵山(よいやま)」と呼ばれる前夜祭が行われ、提灯に彩られた山鉾が夜の街を照らし、多くの人々が浴衣姿で訪れ、賑わいを見せます。

 祭りの期間中には、京都の街に多くの露店が並び、グルメも楽しみの一つです。その中でも注目を集めているのが「しみだれ豚まん」です。これは、通常の豚まんの上から甘辛い醤油ベースのタレをたっぷりとかけたもので、タレが皮にしみ込み、ジューシーな餡とともに深い味わいを生み出します。祇園祭の時期限定で販売されることが多く、会場周辺での食べ歩きグルメとして人気を博しています。祭りの雰囲気の中で食べることも魅力の一つとなっており、近年ではSNSなどを通じてさらに知名度が広がっています。

 祇園祭は、宗教的・歴史的意義を持ちつつも、現代の人々の楽しみにもつながっている稀有な行事です。千年以上続く伝統が現在の京都の町に息づいている様子は、訪れる人に深い印象を与えます。夏の京都を訪れる機会があれば、ぜひその熱気と美しさを体感してみてはいかがでしょうか。

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株式会社ルリアン 広報・IRチーム

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