日本年金機構が実施する事業所調査とは?

日本年金機構では、社会保険に加入している企業に対して一定期間毎に事業所調査を実施します。

調査実施の文書が届いたら「なぜ、うちの会社が…」などと驚かれることがあるかもしれません。

事業所調査は、社会保険の適用漏れの防止及び届出の適正化を推進し、将来的な無年金者、低年金者の発生の防止や企業負担の公平性の確保を目的に実施されています。

加入の取得喪失、報酬等の届出など、速やかに行っていれば事業所調査を実施されても指摘事項もなく問題ありませんが、届出の未提出、記載誤り等があれば、指摘され、適正な届出を行うよう指導されます。

指摘の多いケースは以下の通りです。

  • パート、アルバイト社員で当初の雇用契約では正社員の3/4未満であったが、その後勤務時間が増え、3/4以上の勤務状況になっていたにも関わらず、加入手続きができていなかった。
  • 算定基礎届の4月から6月までの各月について、通勤手当など必要な手当を含めずに提出していた。
  • 基本給や時間給等の固定的賃金に大きな変更があったが、被保険者報酬月額変更届を提出していなかった。
  • 毎年、年1~2回「寸志」という名目で支払い、額も少額のため「賞与」ではないと判断し、被保険者賞与支払届を提出していなかった。                                    など

以上のようなケースで年金事務所から指摘があった場合、届出の提出と最大で過去2年間にわたり保険料の遡及追徴になる場合があります。

従業員の資格や報酬等に関して適正に届出することで、保険料の遡及追徴されることもなく、従業員は将来、給与等に基づいた年金額、健康保険の給付を受けることができます。

社会保険の専門家である我々社会保険労務士が持つ知識や情報を活用していただき、弊社でもサポートを行っておりますので、お気軽にお問合せください。

※記事は執筆時点の法令等に基づくため、法令の改正等があった場合、最新情報を反映していない場合がございます。法的手続等を行う際は、各専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。