相続工学
相続工学

キーメッセージ

相続工学とは

研究のフロー

相続工学とは、当社のプラットフォーム事業を通じて蓄積されたデータをもとに、相続を工学的なアプローチで紐解き、空き家や財産の首都圏一極集中など、相続をきっかけとして生じる社会課題の解決を目指す日本初の研究です。2021年4月に筑波大学の社会工学に関する部門との共同研究を開始し「相続工学」と銘打った相続に関するメカニズムの解析に取り組み始めました。従来、法学や行政論の中で研究されてきた相続について、工学の切り口で研究することによりユニークなテーマの論文が生まれました。2024年には麗澤大学(千葉)に相続工学研究センターを開設し、さらに研究を進めています。

これまでの歩み

2021
4月 ルリアン×筑波大学 共同研究開始
11月 【学会発表】第35回応用地域学会
(ARSC)研究発表大会
12月 【メディア掲載】日経新聞地方経済面
にて共同研究の取り組みが掲載
2022
3月 相続工学研究会
第1回カンファレンスを開催
8月 北海道・天塩高校にて
相続に関する出張授業を実施
9月 【学会発表】
  • 第21回情報科学技術フォーラム(FIT2022)
  • 日本オペレーションズ・リサーチ学会
    2022年秋季研究発表会&シンポジウム
  • 一般社団法人 地理情報システム学会
12月 【学会発表】第36回 応用地域学会
(ARSC)研究発表大会
2023
3月 相続工学研究会
第2回カンファレンスを開催
4月 【学会発表】日本OR学会
「都市のOR スプリングセミナー2023」
【メディア掲載】TBSテレビ「Nスタ」
にて相続に関する全国調査結果が放映
6月 【メディア掲載】オンラインニュース
ABEMAヒルズにて相続工学の取り組みが放映
10月 共同研究論文『相続時調査データによる相続と
空き家発生との関係分析』が学術論文集
『都市計画論文集 Vol.58 No.3』に掲載
11月 【学会発表】日本都市計画学会第58回
論文発表会(岩手大学)
2024
2月 日本不動産学会(国交省後援)に登壇
3月 【学会発表】
  • 日本オペレーションズリサーチ学会に登壇
  • 相続工学研究会第3回カンファレンスを開催
9月 第44回オペレーションズ・リサーチ学会
事例研究賞 受賞「混合整数最適化による
相続工程の長期化リスク採点システム」
12月 麗澤大学にて「相続における
ビジネスプラットフォーム論」開講
2025
1月 ルリアン×京都大学成長戦略本部
共同研究開始
2月 【メディア掲載】月刊フューネラルビジネス
2025年3月号にルリアン×京都大学成長
戦略本部の取組みが掲載
3月 相続工学研究会第4回カンファレンスを開催

相続に関わる
様々な社会課題

所有者不明土地問題

所有者不明土地問題

所有者不明土地、九州の面積を超える

日本国内において、持ち主がすぐにわからない、もしくは連絡がつかない土地、いわゆる『所有者不明土地』の面積は、約410万ヘクタールあるといわれています。これは九州の面積(367.8万ヘクタール)を超える面積です。

空き家問題

空き家問題

4件に1件が遺産相続をきっかけに空き家に

倒壊や火災、景観の悪化など様々な影響を与える空き家は深刻な社会問題となっています。1958年には162人で一戸の空き家を支えていたものが、2018年には9人で一戸を支えるようになりました。今後もさらに増加し、問題は深刻化していくとされています。 当社が行った調査によると、相続した住宅のうち27.6%が相続後に空き家になったことがわかりました。相続案件4件につき1件以上の空き家が発生しています。

口座凍結問題

口座凍結問題

国家予算(一般会計歳出)以上のお金が凍結

超高齢社会に伴い、認知症患者も増加し続けています。内閣府によると、2012年時点で65歳以上の約7人に1人が認知症になっているとされていましたが、2025年には5人に1人になると予想されています。認知症と判断されれば、親族が引き出したり契約を解約することが難しくなります。認知症患者が保有する金融資産額は2020年度時点で156兆円とされ、国家予算(一般会計歳出)を超える金額が凍結状態にあります。今後事態はさらに深刻化し、2030年には230兆円に上るとの試算もあります(第一生命経済研究所調べ)。

研究実績

相続工学研究主要4テーマ

空き家発生のメカニズム

結果の概要

相続手続き開始時に相続人が「空き家になる」と回答した案件の相続人の属性は以下の通り。

・配偶者がいない  ・子がいない
・相続人が1人 ・女性のみ
・兄弟のみ ・数次相続
・90代以上

相続時調査データによる
相続と空き家発生との関係分析

阿部くらん(筑波大学),藤巻 米隆(ルリアン),小西 弘樹(ルリアン),
宇佐美朋香(ルリアン),大澤 義明(筑波大学)

都市計画論文集Vol.58 No.3

論文はこちら

相続手続きの長期化リスク

結果の概要

手続きが長期化する要素を分析
【リスク増】相続人複数、不動産財産額300万円以下、財産が不動産のみ、金融資産・不動産以外の財産あり、財産合計が2500万円以上
【リスク減】相続人が1人、第2順位相続

混合整数最適化による
相続工程の長期化リスク採点システム

椎名  萌(筑波大学),高野 祐一(筑波大学),
宇佐美朋香(ルリアン),山西 康孝(ルリアン),藤巻 米隆(ルリアン)

オペレーションズ・リサーチVol.69,No.4

論文はこちら
オペレーションズ・リサーチ学会の表彰式に参加した藤巻(右)と宇佐美(左)
オペレーションズ・リサーチ学会の表彰式に
参加した藤巻(右)と宇佐美(左)

本研究は2024年のオペレーションズ・リサーチ学会の年間表彰で「事例研究賞」を受賞しました。「既存の最適化モデルに区分線形近似やグループ変数選択を組合せるなど、学術的新規性も認められる」と、学術的処理上の価値も評価されました。

自治体ごとの対応スピード

結果の概要

行政に戸籍や各種証明書等を郵送で取り寄せた場合の日数を集計しました。同じ都内の行政機関でも対応に大きな差がありました。 
都内A市  都某機関 13.0日
都内B市  都内D区  14.4日
都内C区  都内E区  16.8日

財産の域外流出

結果の概要

金融資産が相続によりどのように地域間移動したのかを調査しました。長野などでは、関東圏や関西圏への流出が顕著でした。関東圏は、他のすべての地域に対し流入超過となり、相続による首都圏への一極集中も明らかになりました。

相続工学研究会

みんなの相続窓口全国協議会の主宰により、年に一度、相続工学研究会カンファレンスを開催しています。最新の研究報告やゲストをお招きしたパネルディスカッションなど様々なプログラムを通じ、相続工学研究のさらなる発展に向けた取組みを行っています。

取組み

教育

北海道・天塩高校 北海道・天塩高校

北海道・天塩高校

2022年8月、北海道・天塩(てしお)町にある天塩高校の2年生を対象に、相続工学の出張講義を行いました。グループのメンバーでケーキやお菓子をどう分けるかという議論から始まり、「合意して分割する」という相続の基本的な考えを学びました。

千葉・麗澤大学 千葉・麗澤大学

千葉・麗澤大学

2024年から2025年まで、麗澤大学において「相続におけるビジネスプラットフォーム論」を開講しました。相続の基本知識を通じ大学での法教育のニーズにこたえるほか、ゲスト講師を務める各専門家の話を通じた多様な職業観の醸成も目的としています。様々なグループワークが用意されており、その一環として「未来の相続財産」について構想するプロジェクトを実施しました。

調査

インターネット調査

インターネット調査

2023年から相続工学研究の一環として、毎年全国を対象としたインターネットモニター調査を実施しています。

2023年の調査結果は数多くのメディアで報道・引用されました。また、調査結果発表に関する当社のプレスリリースが、PR TIMES社主催「プレスリリースアワード2023 Best101」に選出されました。
<主な報道実績>
・TBS系列「Nスタ」
・同ニュースサイト「NEWS DIG」
・ABEMA TV「ABEMA ヒルズ」
・「家主と地主」10月号
・「オーナー専科」12月号